金色は暗い場所で見ると美しく見える

谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」(いんえいらいさん)と言う随筆にて
薄暗い中で見ると美しく見えるものに金色があるという記載があります。

金色の蒔絵のある入れ物や金を織り込んだ衣服も
明るい場所よりも暗い場所で見ると美しいと言うことなのです。

こうした文章を読むと新しい元素記号や化学式を発見したような気持ちになります。

地球が実は球体だよと教えられたりすると、
いつも見ていたものが違って見えるようになるものです。

金色の仏像を見る場合にも明るい場所ではなく
より薄暗い場所で金色の反射を見るのが美しいと分かれば見え方も
より美しく感じられるのです。

今まで仏像を観光地で見たときにそのほとんどが暗い場所であったのは
より金色や沈んだ黒色などが美しく感じられるためだったのです。

「陰影礼賛」の中では金色とともに漆器についての記述があるので
それについて簡単に紹介してみます。

谷崎氏が言うには、古来の日本の屋内と言うのは薄暗いので、
薄暗い中でより美しく見えるように漆塗りの器や衣類などはデザインされているということ

白い陶器に盛り付けられたスープではなく、
味噌汁は漆の汁椀でほの暗い場所でいただくのがおいしいのだと言います。

ほの暗いイメージについて谷崎氏は照明のあかりについて記述しています。

谷崎氏の時代はろうそくや行灯から電球に変わってしまった時代です。

明るい電球の下で見る漆器や金の蒔絵の味気なさを指摘します。

薄暗い中で見る漆の黒や朱の色こそが美しいと言います。

また、陶器ではなく木製の汁椀で味噌汁を食べたほうが
重みがダイレクトに感じられると言う記述があります。

LEDにまで進化した現在ではろうそくまで戻ることは不可能ですが
例えばダイニングの電気を消してキッチンだけにして
少ない明かりにして実験的に暗くしてみると
影と言うものがより美しく感じられるのが実感できます。

そして、ろうそくの乏しい光には夜の脈拍を感じるとあります。

ろうそくの揺らぎにその空間の脈うつ姿を見るということです。

現代では明かりが揺らいだら、それは故障で交換といったことになるでしょう。

暗い中で金色の模様がさらに美しく感じるのは
ろうそくの光に照らされると金色の反射がゆらいで変化するためです。

いろいろ加筆してぼやけましたが

「金色は暗いところで見ると美しい。」
「昔からある日本の服や器などのデザインは暗い場所で見ると美しい。」です。

谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」には他にも面白いことが書いてあるので
又の機会に、ポイントを紹介します。

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カテゴリー: デザイン | Tags: , ,

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プロフィール

間取りデータバンク設計担当者。一級建築士。一級建築士事務所主宰。住宅の設計、工事監理。無料プランニングサービスをさせていただいています。

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