谷崎潤一郎の随筆「陰翳礼讃」(いんえいらいさん)に思うこと
昔の日本人は木と紙の質感が好き
陰翳礼讃(いんえいらいさん)というのは谷崎潤一郎の随筆なんですけれども、この随筆は85年前1933年の時代の話です。ちょうど電気が普及してろうそくから電気に変わってくる時代の随筆です。
日本人の美意識というのが変わってくる転換期で、私は建築関係、住宅との仕事をしてるので、今だからこそ見直したいことや参考になることがたくさん書いてありました。
例えばどのような話かというと、家を建てようとした時に電気が普及してきた時代でコードとかねがすごい邪魔だって言うのです。スイッチが目障りだということが書いてあります。
今でこそスイッチは普通にありますが、スイッチのない時代に部屋にスイッチが登場した時、日本人には邪魔で、我慢できなかったみたいです。
その時代の人はコードを屏風の裏に隠したりしました。
次に書いてあるのはガスストーブが出てきたと書いてあります。
燃える音がするとか、煙突をつけないと頭がいたくなるって書いてあります。
一酸化炭素中毒でしょうか?
家の部屋の真ん中に炉があって炭を炊いていた時代からいきなりストーブとか電球が出てきた時代にその音が非常に不快で、しかも火が見えないから嫌だというのですね。
そしてガラスが普及してきました。障子の外側にガラスをつけるのが非常に不快だって書いてあります。外側にガラス貼りにすると表が二重になるから費用もかさむし何か柔らかいもなくて嫌味だって言うのです。
今はガラス普通に住宅でつかっていますが違和感も何もないです。
当時は紙や木とかそういった質感が快適だって思ってた時代なんですよね。
その柔らかい素材に包まれてた時代にガラスが出てきた時に非常に嫌悪感をもよおしたんです。
多分、硬い冷たいそういうこと思ったと思います。
共通点は柔らかいとか流動的とか動きのあるものから動きのないものになってきた時代で非常にびっくりした時代なんですね。今私たちが生きてる85年後の世界だって転換期にあると思います。
非常に自分に馴染めないものや AI とか出てきます。
もう出てますけどね
非常に転換する時に、多分似たような感情を覚える。
タイルがについても85年前はにケバケバしいタイルにしてはいかにも全体との映りが悪いって書いているんです。
木目が好きだったのにタイルが白くて光ってるからやだって随筆では書いています。
昔の日本人は木と紙の質感が好きだったのでしょうね。